釧路湿原北東部の湖沼であるシラルトロ湖における水生植物の現状を把握するため,2007年8月に植生および植物相の調査を行った。植物相としては,イヌイトモ,ナガバエビモ,ネムロコウホネなどレッドリスト記載種4種を含む23種が確認され,全て在来種だった。湖の北部および中央部の数箇所で沈水植物群落が認められたものの,湖の南部の広範囲ではヒシが優占しており,ヒシのみしか確認できない場所も広く存在していた。シラルトロ湖は,植物相としては比較的多様な種が残存しているものの,過去の文献での記述と比較すると,量的には沈水植物が減少しているものと推測された。