臨床血液
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症例報告
Rituximab投与が奏効し, 長期寛解を維持している血漿交換抵抗性重症血栓性血小板減少性紫斑病
洪 鉉寿青山 泰孝山村 亮介太田 忠信麥谷 安津子山根 孝久日野 雅之松本 雅則藤村 吉博
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2006 年 47 巻 12 号 p. 1528-1532

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抄録

症例は57歳の男性。一過性意識消失に伴う交通事故により搬送されたが, 血小板減少, 貧血, 黄疸を認め入院となった。入院後に進行性精神神経症状, 溶血性貧血, 血小板減少, 腎機能障害, 発熱を認めTTPと診断された。治療前のADAMTS13活性は測定限界以下であり, そのインヒビターも検出された。度重なる血漿交換およびステロイドパルス療法を施行するも改善を認めなかったため, rituximabの投与を行ったところ, 精神神経症状の消失, 血小板増加, 貧血の改善を認めた。以降, 無治療で経過観察しているが1年以上再発を認めず, ADAMTS13活性は正常化しインヒビターも陰性化している。TTPに対して血漿交換が標準的治療になっているが, 血漿交換に不応性あるいは再燃を繰り返す難治性TTPにおいてrituximabは有効な治療法であるものと考えられる。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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