臨床血液
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症例報告
血管造影にてmultiple hypervascular lesionを呈した形質細胞腫を伴う多発性骨髄腫
半田 寛入澤 寛之小松本 悟松島 孝文塚本 憲史野島 美久村上 博和
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2006 年 47 巻 6 号 p. 521-525

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抄録

68歳女性。1998年10月左臀部腫瘤を自覚, 1999年5月, 腰痛出現し歩行不能となり近医入院。骨盤部X-PおよびCT, MRIにて左仙腸関節に溶骨性変化を伴う腫瘤影認め, 当院整形外科に転院した。血管造影にて腫瘤部の他に腰椎全体, 左腸骨, 左坐骨, 左恥骨, 左肋骨にhypervascular lesion認め, 左臀部腫瘤を生検, 病理組織にて形質細胞腫と診断した。血清・尿免疫電気泳動ではM-蛋白を認めなかったが, 胸骨骨髄穿刺にて形質細胞を42.8%認め, 非分泌型多発性骨髄腫と診断した。MCNU-VMP療法施行後骨髄中の形質細胞は減少, 歩行可能となったため退院した。外来にてMP療法を施行していたが, 再発, 治療抵抗性となり死亡した。本症例は画像診断にて血管新生を示した多発性骨髄腫例として興味深い。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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