臨床血液
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症例報告
骨髄移植後に再発した急性リンパ性白血病に対する同一ドナーからのRISTレジメンによる末梢血幹細胞移植
黒木 文子後藤 裕明柳町 昌克梶原 良介藤井 久紀井崎 桜子高橋 浩之生田 孝一郎横田 俊平
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2006 年 47 巻 7 号 p. 639-644

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抄録

骨髄移植 (BMT) 後に再発した2例の小児急性リンパ性白血病 (ALL) 症例に対し, 初回と同一ドナーから末梢血幹細胞 (PBSC) を用いてreduced-intensity stem cell transplantation (RIST) を施行した。前処置はfludarabine+melphalan, 移植片対宿主病 (GVHD) 予防は少量cyclosporin (CsA) 単独療法 (1 mg/kg/日持続静注) とした。2例ともに重篤な臓器障害を合併せず生着が得られ, day30を過ぎた時点で免疫抑制薬を急速に中止した結果, 急性および慢性GVHDが誘発された。一例は移植後40ヶ月以上の完全寛解 (CR) を維持しており, 他の一例は移植後15ヶ月に骨髄再発を来たしたが, GVHDの再燃により再びCRに誘導された。移植片対白血病 (GVL) 効果が得られにくいとされるALL症例においても, PBSCTと免疫抑制薬の減量および早期中断の組み合わせにより, 有効なGVL効果を引き出せる可能性が示唆された。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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