臨床血液
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症例報告
自然消退を繰り返すaleukemic leukemia cutisを認めた急性単球性白血病の女児
梶原 良介後藤 裕明柳町 昌克黒木 文子藤井 久紀高橋 浩之横田 俊平
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2006 年 47 巻 8 号 p. 764-769

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抄録

aleukemic leukemia cutisとは骨髄内に白血病を証明できないが白血病細胞の浸潤による皮疹が生じる病態と定義される。我々はまれな臨床経過をたどったAleukemic leukemia cutisの女児例を経験した。症例は生後4ヶ月から四肢体幹の紅色皮疹の出現消退を繰り返していた。皮疹の病理組織では単球系細胞の浸潤を認めたが確定診断には至らず, 骨髄にも異型細胞を認めなかった。生後9ヶ月, 13ヶ月時に皮疹に加えて発熱, 凝固異常, 末梢血異型リンパ球増加が出現したが自然軽快した。生後14ヶ月時に皮疹の悪化, 白血球増多, 骨髄中に単球系芽球を76.4%認め, 皮膚生検の結果とあわせてleukemia cutisを伴う急性単球性白血病と診断した。約6ヶ月間の標準的な化学療法により完全寛解となったが, 治療終了後6ヶ月に鼠径リンパ節単独再発をきたしたため非血縁骨髄移植を行い現在移植後2年で無病生存中である。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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