2008 年 49 巻 2 号 p. 94-98
Candida guilliermondiiは,カンジダ属の約1%と稀であるが,近年抗真菌剤不応例が報告されている。症例は,マントル細胞リンパ腫の58歳男性。Fluconazole (FLCZ)の予防投与を行なっていたが,R-HyperCVAD療法開始41日目にC. guilliermondiiによるカンジダ血症を発症した。VRCZに変更後も,39°Cの発熱が持続し,血液培養で30日間陽性で(1→3)-β-D-glucanも>500 pg/mlと上昇したため,liposomal amphotericin B (L-AmB)とmicafungin (MCFG)の併用療法とした。変更6週後,真菌血症が消失を認め,VRCZ不応性のカンジダ血症に対し,MCFGとL-AmBとの併用で効果が認められた。R-HyperCVADなどの強力化学療法は,通常化学療法に較べて,真菌感染のリスクを高める可能性があると考えられた。