2009 年 50 巻 6 号 p. 481-487
慢性期CMLでは,イマチニブによりMajor bcr-abl mRNAの3Log減少(Major Molecular Response到達)が認められた場合,予後良好である事がIRIS研究から報告されている。日本においてはTMA法を用いたRNA定量法であるAmp-CMLが保険適用を受け汎用されているが,海外で得られたエビデンスを診療に用いるためには,Amp-CMLと海外の検査法との相関を明らかにする必要がある。今回我々はイマチニブ治療中の患者末梢血を用いて,Amp-CML, ヨーロッパ標準法,およびGAPDHを内部標準としたRQ-PCR法によりMajor bcr-abl mRNA定量を行い,相関性を検討した。その結果,Amp-CMLと他法との相関は,MMRの指標となる100 copies/μg RNA以上において良好(相関係数:R>0.97, P<0.01)であり,Amp-CMLは微小残存病変の評価に有用であることが示された。