臨床血液
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症例報告
全身性アミロイドーシスを合併したIgDλ型多発性骨髄腫
長町 康弘山内 尚文村松 博士猪股 英俊野澤 えり小山 隆三井原 康二西里 卓次山田 秀久矢野 智之菊地 尚平平子 匡北岡 慶介小野 薫庵原 秀之加藤 淳二
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2011 年 52 巻 12 号 p. 1888-1892

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抄録

症例は59歳男性。巨大舌,開口障害,関節痛,両手指腫脹などを主訴に,平成21年4月当科入院。皮膚は限局的に硬化し,手足の可動制限,末梢神経障害を伴っていた。血液検査では,免疫電気泳動でIgDλ型のM蛋白,尿中Bence Jones蛋白を認め,血清IgDは727 mg/dlと高値であった。骨髄検査では,形質細胞は49.6%と増加していた。皮膚生検において,アミロイドの沈着を認め,IgDλ型多発性骨髄腫に合併した全身性アミロイドーシスと診断した。MP療法,デキサメタゾン大量療法,VAD療法を施行するも,全身の皮膚硬化,アミロイドーシスに伴う臓器障害は増悪し,永眠された。全身性アミロイドーシスを合併したIgDλ型多発性骨髄腫は極めて稀であり,病態,治療,予後の解明の為にも症例の蓄積が必要であると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本血液学会
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