食品衛生学雑誌
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ブラックタイガーエビに接種したSalmonella WeltevredenおよびS. Senftenbergの冷凍保存下における生残性
野田 裕之千須和 美母衣金子 通治尾上 洋一高鳥 浩介工藤 由起子
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2009 年 50 巻 2 号 p. 85-88

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抄録

冷凍流通している輸入エビのサルモネラ汚染が判明したことから,冷凍保存下のエビにおけるサルモネラの生残性を検討した.ブラックタイガーに血清型WeltevredenおよびSenftenbergを体表および体内の2方法で接種した.冷凍保存温度は -10℃,-20℃ および -30℃ の3温度で,保存期間は12週間とした.その結果,冷凍保存温度が低下するほど,また,体表接種より体内接種の方がサルモネラの生残性が高かった.さらに,S. SenftenbergはS. Weltevreden より高い生残性を示した.サルモネラはエビで冷凍保存された場合,特に -30℃ ではその接種菌数が長期間維持されることが確認できたことから,エビを解凍するときにはサルモネラの存在も考慮に入れ,衛生的な取扱いが必要である.

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© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
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