食品衛生学雑誌
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食品接触素材面に付着したヒスタミン産生菌に対する食品添加物および界面活性剤の抗菌効果
上井 恵理寺田 岳秋山 純基一色 賢司
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2011 年 52 巻 6 号 p. 340-347

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抄録

食品添加物および界面活性剤の食品接触素材面に付着したヒスタミン産生菌に対する抗菌効果を検討した.Morganella morganii NBRC3848,Raoultella planticola NBRC3317 および Enterobacter aerogenes NCTC10006に対する食品添加物21種類および界面活性剤9種類のMICを測定し,高い抗菌力を示した食品添加物9種類および界面活性剤4種類を食品接触素材面に付着したヒスタミン産生菌に対する抗菌実験に用いた.実用条件(100 μg/mL)で食品接触素材面に付着した3菌株に対する抗菌力を測定したところ,食品添加物では次亜塩素酸ナトリウム,界面活性剤では塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化-n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび塩化 1-n-ヘキサデシルピリジニウムが抗菌力を示した.低濃度条件(10および50 μg/mL)で検討したところ,次亜塩素酸ナトリウムでは10 μg/mL,ほか4種類では50 μg/mLにおいても高い活性が認められた.これらの物質を食品加工施設の衛生管理へ利用することが,ヒスタミン産生菌の制御に期待できると考えられた.

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© 2011 公益社団法人 日本食品衛生学会
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