2008 年 74 巻 4 号 p. 697-699
アカイカ釣り漁業における釣り落とし(脱落)の削減を図るためには,その発生要因の究明が不可欠である。本研究では,今後の諸検討の礎として,いか釣り調査結果を基に,ロジスティック回帰分析を行い,釣機の設置位置等が釣り落としに及ぼす影響を検討した。AIC によるモデル選択の結果,釣機が船首尾に近いほど脱落が少なく,釣機に付属するナガシは長い方が脱落が少なかったことから,船体動揺が大きいほど脱落が少ないことが示唆された。釣機の制御等により,漁具にある程度の動揺を与えることで,脱落を抑制し得る可能性がある。