胆道
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症例報告
胆嚢小細胞癌の1例
西村 和明小野山 裕彦
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キーワード: 胆嚢癌, 小細胞癌, 化学療法
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2011 年 25 巻 1 号 p. 127-132

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抄録

要旨:症例は73歳男性.2007年10月,発熱と腹痛を主訴に近医を受診した.画像診断にて胆石症,急性胆嚢炎・胆管炎および胆嚢隆起性病変と診断され,同年11月腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された.切除標本の免疫組織化学的検索にてSynaptophysin(+),Chromogranin A(-),CD56(-),LCA(-)とされ,小細胞癌と診断された.2008年1月本院転入し,肝床切除+領域リンパ節郭清術を施行した.術後gemcitabineおよびTS-1にて化学療法を行ったが,初回手術より8カ月後に再発により死亡した.
胆嚢小細胞癌は極めて稀な疾患であり,一般には予後不良とされ,手術や化学療法に関して明確なコンセンサスは得られていない.膵頭十二指腸切除での長期生存例や,肺小細胞癌に準じた化学療法が有効であったとの報告もみられているが,今後更なる検討を要する.

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© 2011 日本胆道学会
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