Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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グライコシンターゼ化による反転型加水分解酵素のグリコシド合成触媒への変換
Motomitsu KitaokaYuji HondaShinya FushinobuMasafumi HidakaTakane KatayamaKenji Yamamoto
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2009 年 21 巻 117 号 p. 23-39

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抄録

還元末端キシロース遊離エキソオリゴキシラナーゼ(Rex, EC. 3.2.1.156)は,糖加水分解酵素ファミリー 8 に属する反転型キシラン分解酵素であり,キシロオリゴ糖から還元末端キシロース(X1)を遊離する反応を触媒する。Rex は X1 の存在下のみ,α キシロビオシルフルオリド(α-X2F)を加水分解する,Hehre-合成-加水分解反応を示した。一般塩基触媒残基(D263)変異酵素ライブラリーを作製し,グライコシンターゼ活性により α-X2F と X1 からキシロトリオース(X3)を最も良く蓄積する D263C 変異酵素を選抜した。しかしながら,D263C のフッ素イオン遊離活性は親酵素より低かった。次に,一般塩基触媒残基と共に求核試薬である水を保持している残基である Y198 をフェニルアラニンに変異させたところ,フッ素イオン遊離活性が低下することなく加水分解活性のみに大幅に低下が見られた。Rex の Y198F 変異酵素は D263C よりも X3 の蓄積が多かった。最近になり,糖加水分解酵素ファミリー 95 に属する α1,2 フコシダーゼのグライコシンターゼ化が報告された。この場合は,一般塩基触媒残基と相互作用している別の残基に変異を入れることが有効であった。両者ともに,一般塩基触媒残基は変異させない方が良かった。

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© 2009 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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