1968 年 17 巻 3 号 p. 306-310
試薬としてキノンジクロルジイミドを用い, 各アミンとの呈色反応を試みた.脂肪族アミンでは, 一級および二級アミンは黄色を呈し, 三級アミンは呈色しない.芳香族アミンでは, 一級アミンは一般的に赤かっ色を呈し, 二級アミンは特徴的な緑色に呈色する.三級アミンは一部緑色を呈するものがあるが, ほかは呈色が非常に弱い.
この芳香族二級アミンの呈色を定量に応用した.試料アミンと試薬のエタノール溶液にフタル酸水素カリウム緩衝液を加えて, 沸騰水中で15分間加熱し, 25分間常温に放置したのち, 689mμで吸光度を測定する.ベールの法則には, 1μg/5mlから10μg/5mlまたは20μg/5mlの範囲で従った.
この呈色は芳香族一級および三級アミンのうち, パラ位が空位であり, オルトまたはメタ位に電子供与基を有するアニリン誘導体も同様の呈色をして妨害する.