分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ガスクロマトグラフ/質量分析法による体液中のイフエンプロジルの定量
伊東 富晴阿部 昌宏今村 文彦松木 容彦南原 利夫
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 35 巻 3 号 p. 293-297

詳細
抄録

ガスクロマトグラフ/質量分析法(GC/MS)による血しょう並びに尿中イフェンプロジルの測定法の検討を行った.すなわち,イフェンプロジル-d9を内標準物質として用い,遊離型イフェンプロジルは酸及びアルカリによる逆抽出法により,抱合型イフェンプロジルは酸加水分解後Clin Elutカラムクロマトグラフィーにより分離精製し,トリメチルシリル誘導体に導きGC/MSで測定した.又,この測定法における血しょう中での定量限界は150pg/ml,添加回収率は血しょう並びに尿試料で,それぞれ96.9%,88.1%であった.ヒト及びイヌにイフェンプロジル製剤を投与し,その血中濃度推移並びに尿中排せつについて調べたところ,イフェンプロジルの遊離型と抱合型の血中濃度比は両者間で著しく異なることが判明した.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top