分析化学
Print ISSN : 0525-1931
スルファミン類およびアニリド類の分離および確認
濾紙微量電気泳動法による医薬品の分析(第4報)
木下 彌兵衛森山 繁隆清水 敏子
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1957 年 6 巻 4 号 p. 219-224

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抄録

6種のスルファミン類とアセトアニリド,およびフエナセチンについて,Clark-Lubs,Sorensen,およびKolthoffの3種の緩衝液を用いて,それぞれ,pH3~9にわたる,おのおののpH値に対する泳動距離を求め,その距離の差と試薬による呈色とによって,それぞれを判定する.ときには泳動距離が接近していて化合物をそのまま泳動させると,泳動像が分離しないので,確認が困難になることがある.そのようなときは希塩酸であらかじめ加水分解してから,再び泳動させると,像が異った位置に現れるから,前の泳動位置と,この像の位置とから考えて,判定することができる.泳動像の位置は,パラヂメチルアミノベンツアルデヒドの硫酸酸性溶液を用いて検出すると,スルファミン類は燈色となり,0.2γまで,アニリド類は黄色となり,0.25γまで確認することができる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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