日本畜産学会報
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蛋白質とエネルギー摂取量および蛋白質給源の違いがメン羊の尿中窒素成分の分布に与える影響
松岡 栄松岡 豊藤田 裕
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1988 年 59 巻 3 号 p. 261-268

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抄録

反芻家畜における飼養条件と尿中窒素成分の分布との関係を明らかにするため,メン羊4頭を用いて,蛋白質摂取量(実験1),エネルギー摂取量(実験2)および蛋白質給源(実験3)の違いが尿中への尿素,アンモニア,クレアチニン,クレアチン,アラントイン,尿酸,馬尿酸および総アミノ酸の排泄に与える影響を調べた.結果は次のとおりである.1) 蛋白質摂取量の増加にともない,アンモニアを除く各成分の排泄量は増加した.ただし,クレアチニンの増加はごく微少なものであった.2) エネルギー摂取量の増加にともない,尿素とアンモニアの排泄量は減少し,アラントインの排泄量は増加した.クレアチニンの排泄量はほとんど変化しなかった.3) 蛋白質給源(大豆粕,魚粉,尿素およびジウレイドイソブタン)の違いにより,尿素の排泄量は変化し,窒素利用率との間に負の高い相関があった.他の成分の排泄量では,総アミノ酸の排泄量が大豆粕給与時に多かったことを除いて,蛋白質給源の違いによる大きな変化はみられなかった.

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