1991 年 62 巻 1 号 p. 63-68
フィールドデータにもとづく種雄牛評価に及ぼす種雄牛と地域との交互作用の影響を,ホルスタイン種の牛群検定成績を用いて検討した.種雄牛と地域との交互作用を含むモデルで分散分析をした結果,交互作用は乳量,乳脂率,無脂乳固形分率ともに1%水準で有意であったが,その平均平方の値は主効果の平均平方の値に比べてかなり小さかった.さらに検定成績を全国のデータと,北海道および北海道以外の府県のデータにわけて各々のデータから種雄牛モデルのBLUP法によって種雄牛の評価値を算出し,共通種雄牛について評価値間の相関を求めた.その結果,北海道データと府県データの間で0.78以上,全国データと北海道データの間で0.93以上,全国データと府県データの間で0.91以上の高い相関が認められた.これらの結果より種雄牛と地域との交互作用は種雄牛評価値には大きな影響を与えないものと推察された.