日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老年者にみられた成人発症 Still 病の2例
市木 拓宍戸 道弘西山 誠一
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1992 年 29 巻 12 号 p. 960-964

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抄録

老年者にみられた成人発症 Still 病の2例を報告する. 症例1は83歳の女性で症例2は61歳の女性である. 両者とも高熱, 関節痛, 咽頭痛, 皮疹があり, 検査所見では白血球増多を認め, 抗核抗体は陰性であった. 両症例ともプレドニゾロン投与により臨床症状および検査成績は改善した. 一般に, 本症は比較的若い成人に発症するとされているが, 私達の症例は老年者であった. したがって, たとえ老年者であっても不明熱の鑑別診断として, 成人発症 Still 病を考慮にいれるべきであろう. また, その治療にあたっては, プレドニゾロンの副作用と合併症に対する注意が必要である.

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