日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
二, 三の有機加硫促進剤および加硫剤の分子構造について (その2)
加硫促進剤に関する研究 (第2報)
薊 忠重閑 春夫大野 福治
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1966 年 39 巻 1 号 p. 22-28

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抄録

2-ベンゾチアゾリルジサルファイド(DM), 2(4-モルホリニルジチオ)-ベンゾチアゾール(DS), 4,4'-ジチオモルホリン(R), N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルヘンアミド(NS)およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルヘンアミド(CZ)の常温における透電恒数を測定して, 永久双極子能率を算出し, これよりそれぞれの分子構造を推定した.
1) 実測した各試料の永久双極子能率は次のごとくである.
NS…1.91D, CZ…2.90D, DM…3.13D, DS…2.41D, R…0.08D
2) NS, CZ, DM, DSは中央のSまたはS-Sを中心にして両側原子団が互に向いあっている.
3) モノサルファイドのSの結合角は108°であるが, ジサルファイドのそれは両側原子団の種類によって120°~137°の値をとる, このようにことなる値をとるのは両側原子団の立体障害の影響による.また両側原子団のなす角はモノサルファイドよりジサルファイドの方が小さい, これはジサルファイドにはS-S結合が存在するからである.
4) Rは中央のS-Sに関して両側原子団はトランス構造をとっている.

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