加硫ゴムを構成する各種配合剤の配合量の多少が, どのように加硫ゴム諸特性に影響を及ぼすかについて, 定量的に明らかにし, さらに一歩進めて, 目的とする特性を, 種々の制限条件下で最適化する手法を開発した. 各種配合剤配合量と加硫ゴム特性との関係を2次多項近似式でシュミレートし, 数学的モデルを確立した. その未定係数決定には最小2乗法を用いた.このモデルに基づく条件付最適化は, 2次多項近似式が目的関数ならびに制限関数となる場合であり, 従来, 解決を急がれていた問題であるが, われわれは微少変域内において, 非線形モデルを線形化し, Lagrange の未定乗数法を応用して, 制限付極値 (conditional extremum) を解くことにより理論的解決を図り, 電子計算機 (以下電算機という) の利用によって実用化に成功した.