1971 年 44 巻 5 号 p. 452-456
ポリエチレンにハードクレーを配合した場合, Dicumyl Peroxide (DCP) による橋かけがうまくいかない原因について検討を行なった.過剰のDCPを使用するか, または鉛や亜鉛の金属石けんを少量添加すると有効に橋かけが行なわれることから, DCPがハードクレー表面でイオン分解を起こしているのではないかと考えた.ハードクレーによるDCPのイオン分解を確かめるため, 四塩化炭素中, DCPとハードクレーとの反応を低温 (20℃) で行ない, 生成物としてアセトン, フエノール, 4-methy1-2, 4-dipheny1-2-penteneを見いだした.これら特に最後にあげた化合物はDCPのラジカル分解生成物 (クミルアルコール, アセトフェノン) と異なるので, 上記の見解を確認した.