合成ゴム充てん剤として用いられるハードクレーの性質を検討する研究の一部として, そのスチレン重合能について調べた. ハードクレーを高温で処理しても重合能を失なわなかった. N2ガスで置換してもしなくても重合率に影響は認められなかった. スチレンモノマーとの間でほぼ当量的な反応が起こっている. 重合の見掛の活性化エネルギーは0.6kcal/molであった。また得られたポリマーの重合度は約60~80であった. 以上の結果よりハードクレーによるスチレンの重合は, クレー表面の酸性基によるカチオン重合であることを推定した.