1994 年 9 巻 2 号 p. 99-103
無電解Ni-Pめっき上置換Auめっき皮膜の構造とはんだ付け性に及ぼすP含有率の影響をESCA, EDS, SEMそしてメニスコグラフ法を用いて検討した。めっき直後の置換Auめっき皮膜は純Au層と金属状態のNiとAuが混在する層から成り, 良好なはんだ付け性を示した。しかし, 2時間の水蒸気処理を行うことによりAu/Ni-P皮膜上にNi (OH) 2層が形成され, はんだ付け性は著しく低下した。また, はんだ付け性低下の程度はNi-P皮膜のP含有率により異なり, Ni-9.1wt%P/Au皮膜はNi-2.7wt%P/Au皮膜に比べて良好な結果を示した。これは, Ni-P皮膜のP含有率が低下することにより形成されるNi (OH) 2層の厚さが増加するためである。