日本森林学会誌
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東カリマンタンにおける天然林の伐採および更新が土壌の微生物活性に及ぼす影響
喜多 智C. Agus戸田 浩人生原 喜久雄
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2005 年 87 巻 3 号 p. 217-224

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抄録

東カリマンタンにおける天然林の伐採および更新が土壌の微生物活性に及ぼす影響を明らかにするため,天然林,択伐二次林,短伐期人工林,山火事跡の低木林,アランアラン草原で調査を行った。微生物活性を調べるため,微生物バイオマス炭素(C)•窒素(N)濃度,C無機化速度,純N無機化速度,総N無機化速度およびN有機化速度を調査し,それらの関係について考察した。天然林,択伐林と人工林,アランアラン草原の違いは,土壌の有機物蓄積量より微生物のバイオマスや活性の変化に顕著に現れた。天然林および択伐二次林は,他の調査区と比較して,総N無機化に対する有機化率が50~70%と低く,純N無機化速度が高く,林木に対するNの供給力が大きかった。人工林および低木二次林では,天然林に比べて微生物バイオマスは約50%減少し,総N無機化に対する有機化率が90%以上と高まり,Nの供給力が小さくなった。アランアラン草原では更にN供給力の減少が推察された。

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