1977 年 10 巻 2 号 p. 172-177
従来よりDiathermyとして使用されている極超短波 (Microwave) の深部温熱効果に着目し, 臨床的に腸管運動にごどのような影響を及ぼすか, 腸音図法を用いて, その効果を検索した.健康成人, 開腹術後症例に, 100 Watt, 15分, 腹壁アンテナ間距離15cmの条件で, 腹部照射を行うと, 腸管運動機能の亢進が認められ, さらに従来より使用されている熱気浴法よりその亢進作用は優れていることを知った.また, 開腹術後第3病日には, すでにいわゆる腸管麻痺は存在せず, 程度の差はあっても運動機能は回復しており, また, 正常人と同様2~5分の腸音発生の周期性のあることを腸音図法にて証明し得た.