日本消化器外科学会雑誌
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胆管末端部の構造について
密着二重造影法による検討
菱田 泰治小島 靖長谷川 重夫梶浦 直章高浜 竜彦吉本 賢隆秋元 滋夫高橋 周二川崎 誠治上笹 功三条 健昌万代 恭嗣
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1980 年 13 巻 10 号 p. 1153-1162

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抄録

密着二重造影法によって, 胆管末端部の構造を検討した結果, つぎの成績を得た.胆管末端部には, 約14%の症例で“膨大部”が存在することをみとめた.胆管末端部は, 十二指腸壁内をある距離斜走する型と, 総胆管が細く, かつ先細りで直線的に十二指腸に開口する型を基本型とし, 他にいわゆる, 胆管・膵管合流異常が少数ある.総胆管拡張例は大部分が第1の型から生じ, 他に, 先天性総胆管拡張症の範略に入るもの, 胆管・膵管合流異常が少数含まれる.胆管末端部粘膜の弁様構造をしめすと考えられるspiculaは24%にみられたが, 先細り型以外の症例に本来存在する弁様構造が, 病的過程によって次第に消失していくことが推定された.

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