日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌原発巣占居部位からみた同時性肝転移の検討
stream line phenomenaと肝転移様式を中心に
西田 修大森 一吉白戸 博志澤口 裕二佐藤 直樹中島 保明近藤 征文佐野 文男内野 純一
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1989 年 22 巻 1 号 p. 109-114

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抄録

1968年から1987年までに経験した同時性肝転移58例を, 原発巣の占居部位別に検討した.肝転移率はS状結腸癌 (27.0%) と盲腸癌 (26.9%) に高く, 肝転移の個数は孤立性が22.4%, 多発性が77.6%であったが, 占居部位による個数には差はなかった.壁深達度別にみた肝転移率では, S状結腸癌と盲腸癌が深達度のすすんだもので直腸癌より高かったが, これらの病悩期間をみると前二者は直腸癌よりむしろ短かった.門脈血流に一定の法則があるとするstream line phenomenaを原発巣と肝転移巣の占居部位の上から検討したが, S状結腸癌は直腸癌より右葉へ転移しやすく, 逆に左葉へは転移しにくく, 盲腸癌は右葉へ転移しやすかった.

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