日本消化器外科学会雑誌
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門脈侵襲またはChild C肝硬変を有する肝細胞癌に対する
リピオドールーマイトマイシン懸濁液反復動注療法の肝機能への影響と治療効果
足立 信也深尾 立石川 詔雄岩崎 洋治田中 直見大菅 俊明斎田 幸久倉本 憲明
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1989 年 22 巻 8 号 p. 2032-2038

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抄録

門脈3次分枝以上に癌侵襲のみられる肝硬変併存肝癌15例と, Child C肝硬変を併存する肝癌8例, さらにChild C肝硬変を併存し門脈侵襲も認められる7例, 計30例を対象として, 経肝動脈的リピオドールーマイトマイシン懸濁液動注療法 (LM-TAI) の効果と安全性について検討した. LM-TAI施行後, 血液生化学的諸検査値は一過性に異常値を示すが, この傾向は門脈侵襲例においてより強く認められた. LM-TAIを反復した例でもこれらの異常値は1~4週間以内にほぼ前値に復した. 腫瘍の縮小が24例にみられ, 2年累積生存率は門脈侵襲症例群で55.0%, Child C肝硬変群では50.0%, 重複群では14.3%であった.

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