日本消化器外科学会雑誌
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AFP産生胃癌を伴った多発早期胃癌の1例
菅沼 正司船曵 孝彦二渡 久智落合 正宏丸上 善久松原 俊樹今津 浩喜新井 一史森 紀久朗森下 浩笹山 可則
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1995 年 28 巻 5 号 p. 1086-1089

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抄録

症例は61歳の男性.胃角部, 幽門部にそれぞれ早期胃癌を認め, 胃亜全摘を施行し両病変ともsmであった.術前術中肝転移を認めず血清AFP値は正常であったが, 経過観察中巨大肝転移を認め血清AFP値の著明な上昇を認めた.胃切除標本にAFP染色を行ったところ幽門洞の病変に陽性細胞を認め, AFP産生胃癌を伴った多発早期胃癌の肝転移と診断した.
本邦におけるAFP産生早期胃癌18例を集計し検討したところ, 約半数に肝転移を認め, 術後肝転移を認めた症例はすべて1年以内に再発していた.組織型では髄様増殖を示す低分化腺癌を多く認めた.

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