日本消化器外科学会雑誌
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早期胃癌に対する腹腔鏡下胃内手術
その適応と手技ならびに臨床成績について
大橋 秀一谷口 英治瀧口 修司折山 毅神野 浩樹
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1998 年 31 巻 4 号 p. 1020-1023

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抄録

早期胃癌に対する腹腔鏡下手術の1つとして, われわれが開発した腹腔鏡下胃内手術の手技と最近4年間の成績を報告し, その適応と術式の工夫などについても考察した.対象は早期胃癌21例 (m癌15例, sm癌6例) で, 男17例・女4例, 平均年齢は71.4歳である.適応は当初高齢者ならびに開腹術拒否者の早期癌としていたが, 最近では次第に適応を拡大しつつある.術中トラブルで2例開腹移行したが, 重篤な術後合併症はみられなかった.m癌症例では全例とも再発を認めていない.sm癌症例2例に局所再発を認めたが, これらは開腹術拒否者と高齢者であり, 内視鏡的レーザー焼灼にて経過観察中である.本法の最も良い適応は, 内視鏡的粘膜切除術 (EMR) が技術的に困難な高分化型のm癌であるが, 高齢者など大きな侵襲を避けたい症例では, sm浸潤の疑われる症例でも適応になると考えている.今後, 本法は早期胃癌に対する治療選択の1つとして, 有用な術式になると期待される.

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