日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
幽門保存胃切除術後に発生した胃石による腸閉塞の1例
森田 恒彦秦 温信松久 忠史真鍋 邦彦松岡 伸一安念 和哉佐野 文男
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 33 巻 11 号 p. 1799-1801

詳細
抄録

幽門保存胃切除術後に発症したまれな胃石による腸閉塞の1例を経験した. 症例は43歳の女性. 胃癌に対して幽門温存胃切除術を施行した. 術後は良好に経過していたが, 20か月後突然腹痛と嘔吐が出現し, 腸閉塞の診断で手術を施行した. 胃石は大きさ4.2×2.5×2.3cmで, 回腸に陥頓していた. 回腸切開により胃石を摘出した. 成分は98%以上がタンニン酸で, 柿胃石と診断された. 幽門温存胃切除術後の胃石形成の報告は見られず, 初めての報告と思われる.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top