2002 年 35 巻 9 号 p. 1512-1515
症例は53歳の女性. 下行結腸癌, 胆石症で下行結腸切除術, 胆嚢摘出術を施行した. 術後, 肝転移を来し肝動脈栓塞療法, 肝動注療法, 経皮的マイクロ波凝固法, 肝左葉切除術, 経皮的エタノール注入療法を施行したが肝門部胆管狭窄を来しステント(カバーなし)を留置した. 初回手術の5年3か月後, 発熱, 黄疸にて再入院, 内視鏡的逆行性胆管造影でステントの閉塞と診断した. 経皮経肝胆管ドレナージの経路を用いバルーンカテーテルをステントの側面から内腔に挿入, ステントを部分的に破壊した後, 胆道鏡をステント内に進めたところ腫瘍ingrowthにより完全に閉塞していた. アルゴンプラズマ凝固法(1.5mmプローブ, 出力35W, 流量1.01/min)により再開通を得た. ステント(カバー付き)を, 既留置ステントの側面の破壊部分からstent in stentの型で留置, 内瘻化した. 内瘻化の161日後に閉塞性黄疸を来たし, 外瘻チューブを留置した.