日本消化器外科学会雑誌
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術前に胃粘膜下腫瘍が疑われ術後に胃結核と診断された1例
加納 久雄三松 謙司金田 英秀久保井 洋一大井田 尚継天野 定雄
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2004 年 37 巻 10 号 p. 1622-1626

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抄録

術前に粘膜下腫瘍が疑われ術後に胃結核と診断された1例を経験した. 症例は79歳の男性で, 既往歴は30歳時に右肺結核にて区域切除を施行し, 以後肺結核の再燃は認めていなかった. 現病歴は平成14年5月37.8℃の発熱と腹痛を認め紹介受診. 不明熱として対症療法を行っていた. 平成15年3月精査のための上部消化管内視鏡検査にて胃体上部前壁に4cm大の正常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍を認めた. 形態的にGISTも否定できないため手術を施行. 術式は胃局所切除を施行. 肉眼的には内部に淡黄色の膿汁を貯留した膿瘍形成を示しており, 病理学的には抗酸菌は同定できなかったが, 中心に乾酪壊死を認めLanghans巨細胞を伴った類上皮肉芽腫を認め, 胃結核の診断になった. 胃結核は腸結核の中でもまれであるが, 結核患者は現在でも減少しておらず, 当疾患にも注意が必要と考えられた.

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