日本消化器外科学会雑誌
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直腸に原発した類上皮血管肉腫の1 例
池田 貯唐原 和秀佐藤 大亮宮脇 美千代内田 雄三秋月 真一郎
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2005 年 38 巻 2 号 p. 262-267

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抄録

患者は55 歳の男性で, 下血を主訴として当院を受診した. 大腸内視鏡検査にて, 下部直腸に易出血性の1型の腫瘤を認めた. 腫瘤表面は全体的に暗紫色でびらんを呈していた. 同部位の生検にて低分化腺癌と診断され, 腹会陰式直腸切断術を行った. 切除標本肉眼所見では, 潰瘍を伴った黒色の扁平隆起性病変であった. 病理組織学的検索にて, 類上皮血管肉腫 (epithelioid angiosarcoma) と診断された. 直腸原発の類上皮血管肉腫は極めてまれであり, 国内外の文献検索ではわずかに5 例が報告されているだけであり, 貴重な症例と考え報告した.

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