日本消化器外科学会雑誌
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胆嚢カルチノイドの1切除例
石川 忠則溝渕 俊二岡崎 泰長松本 康久竹内 保笹栗 志朗
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2006 年 39 巻 2 号 p. 221-226

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抄録

症例は64歳の女性で, 高血圧症で近医通院加療中, スクリーニング目的で腹部エコー施行され, 胆嚢結石とポリープを指摘された. 腹部超音波で胆嚢頸部に径約1.0cmのiso-echoicな腫瘤影を, T1強調MRIでは, 表面凹凸不整を示すiso-intensityな腫瘤影を認めた. 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し, 術中迅速病理診断で, 胆嚢癌と診断されたが, 固有筋層への浸潤は明らかでなく, 手術を終了した. 病理組織学的に, 病変は粘膜直下に存在し, 比較的核の大きさがそろった類円形ないし長円形細胞が索状, リボン状構造を呈しながら増生し, 腫瘍細胞は, Grimelius, chromogranin A染色陽性で, 胆嚢カルチノイドと診断した. 術後12か月の現在, 明らかな再発を認めていない.

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