2005 年 54 巻 2 号 p. 79-85
1992年と1993年の春の渡りのシーズンに,新潟県大口のハス田と水田においてツルシギの採食行動について調査を行った.ツルシギの採食行動194例を観察し,そのうち84%はつつき型あるいは首振り型であった.ツルシギは,レンコンの収穫が終了した湛水の少ないハス田や,やはり湛水の少ない収穫前のハス田,水田では泥の表面をつつくつつき型で採食していることが多く,レンコン植え付けの終了した湛水の深いハス田では,嘴を左右に振って水底の表面を探る首振り型で採食していることが多かった.つつき型と首振り型の採食行動を比較すると,単位時間あたりの歩数はつつき型が多く,嘴の使用回数,採食成功回数は首振り型が多かった.