日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部原発が考えられた癌肉腫の1例
伊香 加納子笹 秀典高野 政志古谷 健一菊池 義公安齋 幹雄相田 真介山内 一弘
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2005 年 44 巻 3 号 p. 139-143

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抄録

背景:子宮頸部発生癌肉腫の報告はまれである. 術前診断に苦慮した1例を報告する.
症例:58歳, 不正出血, 下腹痛を主訴に来院. 子宮頸部から筋腫分娩様に膣内に突出する, 易出血性の充実性腫瘍を認めた. 画像診断では子宮はほぼ一塊の腫瘤影, 頸部細胞診ではclass V・中分化程度の腺系悪性細胞の小集塊を多数認め, 頸部生検では扁平上皮, 腺系両方への分化が示唆される低分化癌と診断された. 摘出標本の病理組織所見では, 扁平上皮様の変化を伴う腺癌と, 一部に平滑筋肉腫, 骨肉腫, 軟骨肉腫の成分があり, 頸管腺領域を主体に漿膜直下まで浸潤していた.
結論:診断に苦慮するような子宮悪性腫瘍診断の際には, 細胞診に癌肉腫細胞が出現していなくても, 本疾患の可能性を一考する必要があると考えられた.

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