園芸学会雑誌
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キュウリにおける節位の異なる葉の抗酸化レベル
趙 習コウ李 進才松井 鋳一郎前澤 重禮
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2003 年 72 巻 4 号 p. 324-328

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抄録

キュウリにおける異なる節位葉の抗酸化レベルを調べるために, 2001年2月14日に播種したキュウリを主枝の21節で摘心し,5月31日に主枝の第4,8,12,16,20葉をサンプリングして分析した.クロロフィル含量は第4葉が少なく,第12葉が最も高かった.タンパク質含量は第4葉から第16葉では下位節の葉ほど少なかった.MDA含量は下位節の葉ほど多かった.抗酸化酵素のSODとCAT活性は第4,8葉が低かったが,APX活性は第8葉が,POD活性は第4葉が最も高く,両酵素ともに下位節の葉ほど高い傾向があった.活性酸素の一つであるH2O2含量は第12葉が最も多く,それより上位節および下位節の葉ほど少なくなった.抗酸化物質のAsA,β-カロテンおよびフラボノイド含量は第4葉から第16葉では下位節の葉ほど少なかった.以上の結果より,キュウリの葉の抗酸化レベルは節位によって異なることが明らかになった.

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