精密工学会誌
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Nイオン付加レーザPVD法によるcBN膜の形成
峰田 進栄安永 暢男木幡 護菊田 芳和
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1990 年 56 巻 10 号 p. 1894-1899

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抄録

Nイオン同時照射によるレーザPVD法でcBN 膜の形成を試みた結果,下記のことが明らかになった.
(1) Nイオンを加速電圧1kV以上で同時照射することにより,化学量論比に近いBN膜が得られる.
(2) 純度99%以上のhBNを母材として用いた場合,Nイオン同時照射によりcBNリッチで HK3800~4600の超硬質膜が形成できる.
(3) Nイオン加速電圧が高い程,また母材純度の高いほど基板に対する密着力が高く,また Ni-Mo鋼に対する耐摩耗性も著しく高くなる.
鋼切削用のコーティング工具のような苛酷な負荷条件に耐えるсBN膜を実用化するためには,さらに基板との密着性の向上が必要で,基板表面の調整や中間層の形成などについても今後検討する必要がある.

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