精密工学会誌
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インプロセス計測加工精度補償の研究 (第3報)
汎用旋盤を用いた円筒切削の制御
河野 嗣男宇田 豊森田 昌彦永野 浩量
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1993 年 59 巻 6 号 p. 951-955

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抄録

加工面基準制御加工法を汎用旋盤に適用し, 円筒切削について, シミュレーション, 加工制御実験を行い, 両者を比較検討した.
(1) 加工面基準制御加工法を用いることにより, 汎用旋盤での円筒切削が, 簡単な装置を付加するだけで安価に加工精度の向上ができることを確認した.
(2) 変位計より得られるフィードバック量に補正制御係数m (0≦m≦1) を掛けることにより, 従来にない以下の特徴があることが, 明らかになった.
(1)従来の加工面基準制御加工法では, 制御を行わない最初の参照面を基準として加工制御するため, 基準となる面の誤差も転写する欠点があった.
(2)制御を行わない場合の振幅と, 制御を行って収束した振幅の比を残留うねり率Mとすると, 補正制御係数mが1に近づくほど, Mが小さくなる.
(3)補正制御係数mを用いることにより, 基準となる第一参照面の誤差を低減できる場合があることが明らかになった.またmが小さいほど, 収束に要する時間が短いことも, 明らかになった.これについての詳細な検討は, 次報以降に報告する.

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