1999 年 22 巻 1 号 p. 21-24
黒毛和種牛一肥育農家において呼吸器症状を中心とした疾病が多発したため、原因を調査し対策を検討した。呼吸器症状を呈した牛は検査頭数13頭中13頭(100%)、治療回数は13.6±2.2回、鼻汁からStreptococcus sppを分離、牛RSウイルスの抗体価および白血球数の有意な増加が認められた。対策として、導入時に牛RSウイルスワクチンの接種、畜舎消毒、抗生物質の投与および発症牛の隔離を実施した。さらにワクチン接種方法として鼻腔内投与(1群)と筋肉内投与(II)に区分した。その結果、呼吸器症状を呈した牛はI群17頭中6頭(35.3%)、II群10頭中1頭(10%)、治療回数はI群3±1.3回、II群6回に減少した。I群およびII群の明確な差は認められなかった。