日本家畜臨床学会誌
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黒毛和種去勢牛における1日当りの増体量別の肥育効率および血液成分値
高橋 千賀子菅原 真哉木村 有一小野 秀弥早坂 久範川名 晶子
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2001 年 24 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

間接検定成績の1日当り増体量(DG)に基づいて、一肥育農家の黒毛和種去勢牛を低増体群、中間群、増体群と区分し、枝肉販売成績と肥育ステージ別の血液成分値を比較した。DG別の枝肉販売成績では、増体群が肉質および枝肉価格ともに好成績を示した。血液成分値は肥育ステージ別に大きな変動を示した。ビタミンAは、増体群では低増体群に比べてステージ4(22~25カ月齢)と5(26~30カ月齢)で有意な低値を示した。総コレステロールとリン脂質は、増体群では低増体群や中間群に比べて、ステージ3(18~21カ月齢)から4(22~25カ月齢)にかけて高値傾向を示した。以上のように、DG別や肥育ステージ別に血液成分値に差が認められたことから、牛によって発育や肉質形成速度が異なることが示唆された。DG別に、牛を分類することによって、牛本来の特性に基づいた飼養管理が可能になり、肥育効率が高くなると思われた。

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