2003 年 26 巻 1 号 p. 15-20
低受胎牛群を対象に受胎率の向上を目的として、天然型プロジェステロン放出膣内留置型製剤(CIDR)投与時にE2、製剤を併用投与(A群)した場合の発情同期化および受胎効果をCIDR単独投与(B群)および無処置対照(C群)のそれらと比較検討した。その結果、A群ではBおよびC群に比べてCIDR抜去後の短い期間に集中して発情が発現し、受胎率も高かった。また、A群では投与期間中に黄体が退行し、P濃度が漸次減少して抜去時には1ng/ml以下となった。これらの結果から、低受胎牛群においてCIDR投与時のE2製剤の併用投与は早期の黄体機能の退行を促し、結果的に集中した発情の発現と、高い受胎率にとって有効であることが期待された。