1998 年 23 巻 2 号 p. 95-106
種々のアルコキシイミノフェニル酢酸アミド誘導体を合成し, それらの殺菌活性における加構造と活性相関について調べた. その結果, アルコキシイミノ部はメトキシイミノ体で, 酢酸アミド部はモノメチルアミド体の活性が最も高く, フェニル酢酸アミド部のベンゼン環は ortho 位に無置換のフェノキシ基が導入された化合物が最も活性が高かった. メトキシイミノ部の幾何異性体間ではたE-体の方がZ-体より活性が高かった. 以上の結果より, (E)-2-メトキシイミノ-N-メチル-2-(2-フェノキシフェニル) アセトアミドを開発候補剤として選抜した. 本化合物は抗菌スペクトラムが広く, 浸透移行性に優れ予防効果も治療効果も認められる. イネいもち病に対しては茎葉散布および水面施用で有効である.