Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
除草剤オキサジアゾンの魚介類への残留
今中 雅章松永 和義繁田 文通石田 立夫
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 6 巻 4 号 p. 413-417

詳細
抄録

近年使用量が急増している除草剤オキサジアゾンについて, 魚介類中の分析方法を検討するとともに実態調査を実施した. とくに, 魚介類中にかなりのレベルで残留しているPCBとp,p′-DDE, ディルドリン等の有機塩素系農薬による影響を除去すべく, フロリジルカラムによるクリーン・アップ条件, GCカラム充填剤の種類などに検討を加えた結果, 妨害を受けることなく, 回収率96.0%で定量することが可能になった. この方法によって, 散布後2ヵ月, 4ヵ月および9ヵ月経過した時点で児島湖より採取したフナを分析したところ, おのおの0.442ppm, 0.046ppm, 0.017ppm のオキサジアゾンが検出され, 魚体内での残留性が強い可能性が示唆された. また, EIマススペクトルとマスクロマトグラフィーによって, フナ中の残留物はオキサジアゾンであることを同定した.

著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top