近年使用量が急増している除草剤オキサジアゾンについて, 魚介類中の分析方法を検討するとともに実態調査を実施した. とくに, 魚介類中にかなりのレベルで残留しているPCBとp,p′-DDE, ディルドリン等の有機塩素系農薬による影響を除去すべく, フロリジルカラムによるクリーン・アップ条件, GCカラム充填剤の種類などに検討を加えた結果, 妨害を受けることなく, 回収率96.0%で定量することが可能になった. この方法によって, 散布後2ヵ月, 4ヵ月および9ヵ月経過した時点で児島湖より採取したフナを分析したところ, おのおの0.442ppm, 0.046ppm, 0.017ppm のオキサジアゾンが検出され, 魚体内での残留性が強い可能性が示唆された. また, EIマススペクトルとマスクロマトグラフィーによって, フナ中の残留物はオキサジアゾンであることを同定した.