日本泌尿器科学会雑誌
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体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 (ESWL) 時における尿管留置カテーテルの効用と副作用
郡 健二郎片山 孔一石井 徳味加藤 良成栗田 孝光林 茂井口 正典
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1990 年 81 巻 10 号 p. 1543-1549

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抄録

1,818例 (両側を2例) のESWL症例で, 196例に尿管留置カテーテル (カテーテル) を使用し, その効果と合併症とを報告した. 平均留置期間は約22日. 留置理由は結石容量が多い症例が大半 (79.3%) で, 単腎や他院で既に留置されていた症例が若干みられた. 砕石が充分にされた. 平均2cm弱の単発腎結石症例で, カテーテル留置群と非留置群との間で, 完全排石率, 完全排石平均日数, 症状の程度を比較したが有意差はなく, これらの症例ではカテーテルは不要と考えられた. 留置中の症状・合併症の中で, 発熱 (17.2%) が最多で, 感染結石とシスチン結石が使用割合に比べ高頻度であったが, 使用したカテーテル別では, タワー型カテーテルで高頻度であった. 特にタワーペリフェラルでは stone street の形成が高く, 膀胱結石の付着が高頻度であったので, これが発熱の原因の1つになっていると思われた. stone street は6%にみたが, 大半は結石容量が多い症例で, カテーテル抜去後3例 (25%) では, 直ちに自排をみた. カテーテル表面への肉眼的石灰化または付着物が6例 (3%) みられ, うち4例は膀胱結石であった. 尿酸結石の2例では抜去時にカテーテルの破損をみた. 最長留置 (134日) した症例では自排をみたものの, カテーテルの破損, 無機能腎をきたしたことから, 留置中の注意事項を考案した.

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