日本泌尿器科学会雑誌
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尿路悪性腫瘍の免疫療法
丸茂 健
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1991 年 82 巻 3 号 p. 361-371

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抄録

免疫療法がヒトの癌の治療に応用され始めてから四半世紀が過ぎた. 泌尿器科領域の腫瘍に対しても, 腫瘍ワクチン, 種々の免疫賦活剤, インターフェロン, サイトカインなどによる多くの試みがなされ, 表在性膀胱癌, 腎細胞癌など一部の腫瘍においては免疫療法が中心的な役割を果たすまでになった. しかし, 最近のバイオテクノロジーの発達によって量産が可能となったインターフェロン, インターロイキン2なども当初の期待とは異なり, 単独では十分な効果を発揮しないこともわかってきた. これまでに得られた貴重な研究成果をもとに, 免疫機構の解析にそって, これらを組み合わせていくことが治療成績を向上させるために必要である.

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