日本泌尿器科学会雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
ISSN-L : 0021-5287
前立腺葉状腫瘍 (phyllodes tumor) の1例
亀岡 浩熊川 健二郎内田 久志鈴木 孝行白岩 康夫中野 路子松岡 俊光山口 脩
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 93 巻 1 号 p. 52-57

詳細
抄録

症例は36歳, 頻尿, 排尿困難を主訴に1998年10月当科受診し, 閉塞症状に対して経尿道的前立腺切除術を施行された. 翌年9月再発に対し2度目の経尿道的前立腺切除術が施行され, 病理組織より葉状腫瘍と診断された. 腫瘍は腺成分と間質成分が交互に増殖し, 間質成分では高度の異型性と横紋筋肉腫様成分を認め, 明らかに組織上の悪性所見と考えられた. この所見を根拠に, 同年12月根治的前立腺全摘除術が施行された. 摘出標本では断端への腫瘍浸潤及びリンパ節転移は認めなかった. 術後14ヵ月を経過し再発なく生存中である.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top