日本泌尿器科学会雑誌
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精索 myxofibrosarcoma の1例
竹澤 健太郎松岡 庸洋高尾 徹也野々村 祝夫冨田 裕彦奥山 明彦
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キーワード: 精索肉腫
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2008 年 99 巻 3 号 p. 555-559

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抄録

症例は77歳男性. 左陰嚢内容の無痛性腫脹を主訴に当科受診. 左精巣腫瘍の診断のもと左高位精巣摘除術を施行された. 腫瘍は内鼠径輪の奥まで連続しており可及的近位側で切除したが不完全切除と思われた. 摘除標本中には肉眼的に正常な精巣が確認された. 組織学的には粘液基質を背景に紡錐形細胞が増殖し多彩な組織像を呈し, 免疫染色で vimentin が陽性,αSMA, S-100, Myo D1, EMA, keratin, HMB45, LCAは陰性であった. 以上から精索 myxofibrosarcoma, high-grade と診断された. 術後CTにて多発後腹膜リンパ節転移を指摘され放射線治療を開始したが, 間もなく多発肺転移, 胸膜播種が出現し術後65日目に死亡した. myxofibrosarcoma は従来 myxoid MFHと呼ばれていた軟部肉腫である. 精索 myxofibrosarcoma は比較的稀な疾患で, 検索し得た範囲では本邦報告7例目であった.

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